わたしと専務のナイショの話

 よし、と投げたボールはふらふらっと進んでガターに落ちる。

 そのままゆっくり進んで行き、暗がりへと消えていった。

 消えたままの魔球になってしまった……と思っていると、祐人が、
「いつ戻ってくるのかと思って、見つめてしまったじゃないか」
と後ろから文句を言ってくる。

「お前、投げ方からしておかしいんだよ。

 なんだ、今のは。

 投げたんじゃなくて、落としたんじゃないのか?

 玉が重過ぎるんだろ?」
と言って、戻ってきたのぞみのボールを見る。

「いや、軽いとせっかくピンがあるところに行っても、ボールの方が弾き飛ばされたりするので。

 重かったら、よろっとたどり着いても、いっぱい倒せるかな~と思って」

「微妙に欲深いな……」
と言った祐人は後ろからのぞみの手をつかみ、

「こう構えて、こうだろ」
とフォームを直してくれる。

 すると、ふたつ向こうのレーンから、
「あっ、のぞみったらーっ」
と目ざとく見つけた鹿子(かのこ)が文句を言ってきた。