わたしと専務のナイショの話

「いや、二度と坂下が視界に入らぬ島にでも飛ばせ。
 戻ってくるのに、二、三日かかるような島にな」

 二、三日かかるって、そこは日本か?
という顔を樫山はする。

 ああ、こんなつまらぬことを言ってしまうのも、のぞみが俺に気がないように見えるからだ。

 なんで俺があんな小娘に振り回されなきゃならんのだ、と悶々と考え続けていると、

「どうした、京平。
 大丈夫か?

 実は、彼女と上手くいってないとか?」
と樫山が言ってきた。

 いつもなら、そんなわけあるか、と強がるところだが、なんだか今日は気弱になっていた。

「まあ、今度、呑みにいこうじゃないか」
と背中を叩かれ、

「……今日がいいな」
と言ってしまう。

 えっ? 今日っ? と驚いた樫山だったが、ただごとではないと思ったのか。

「わかった。
 ちょっと待ってろ。

 一度、社に戻ってくるから。

 ほら、サークルの帰りにみんなで寄ってた店あるだろ。
 あそこで待ってろ」
と言ってくる。