わたしと専務のナイショの話

 


 なんでこんな日に限って早く終わるんだ。

 職場を出た京平はひとり、街中を歩いていた。

 暇になってしまったじゃないか。

 今までなら、よし、今日くらいは、ゆっくりするかと思うところだが。

 ……落ち着かんな。

 坂下……いや、のぞみ。

 今頃、若い社内の男たちとチャラチャラしているのだろうか。

 京平の頭では、ボウリング場で、自由の女神のようにボウリングのピンをかかげたのぞみが男たちにかしずかれていた。

 のぞみが居たら、
「いや、ですから、専務。
 私、そんなモテませんので」
と言うところだろう。

 そのとき、ふと、視界に入った。

 あののぞみと行ったのと同系列のショールームが。

 なんとなく入ると、奥の方から、また樫山が出てきた。