わたしと専務のナイショの話

「医者とかもっとです」
とのぞみは言った。

「知り合いの前で脱ぎたくないとかだけじゃなくて

 こいつ、図工の時間、木でライオン作ってて、手が滑って、首切り落としてたなとか、思い出すんで」

 ますます青くなる京平にのぞみは言う。

「あ、大丈夫ですよ。
 私、今まで事故どころか、車を擦ったこともないんで」

 その言葉に、京平は、少しホッとしたようだった。

「まあ、運動神経鈍い奴の方が意外と運転上手かったりするもんな。

 運動できる奴は、自分の身体と同じように車も動くと思って、ぶつけたりするから。

 自転車乗れない奴でも大丈夫か」
と今、のぞみの運転する車に乗っているおのれを納得させるように呟く京平に、

「……車、私が漕いで動かしてるんじゃないんで」
とのぞみは言った。