京平と話している途中で、のぞみはうとうとし始めていた。

 京平から電話がかかってきたことと、少し話したことで、不思議な安心感が生まれたからだ。

 なんだかわからないが、ほっとする。

 小さく欠伸をすると、京平が、
『遅くに電話して悪かったな。
 おやすみ』
と言って電話を切る。

 おやすみなさい、専務……と思いながら、すぐに目を閉じた。

 夢の中、夜の川辺に居る京平が必死になにか言っていて。

 こんなこと言ったら、怒鳴られるだろうけど、なんか可愛いな、と思う。

 ふふ、と笑ったのぞみは、そのまま、笑いながら眠っていた。