わたしと専務のナイショの話

 
 


 そのあとの京平は忙しく、特に私的な会話もできないまま、のぞみは仕事を終えた。

 ただ、用事で覗くたび、なんだかわからないが、恨めしげな瞳で見られたのだが。

 なにもなしに帰るのも、ちょっと寂しいものですね、と思いながら、失礼します、と専務室を後にする。

 久しぶりにゆっくりお風呂に入り、アイスを食べながら、テレビを見た。

 ははは、と笑いはするのだが、好きなお笑い番組も、なんだか前程、面白くない。

 専務に振り回されずにゆっくりしたいなーと思っていた。

 でも、実際にそうなってみると、なんだか味気なく……

「寝よ」
と立ち上がり、部屋に行った。

 枕許にスマホを置いて、うとうとしていると、メールが入る。

 京平からだった。

 思わず、スマホをつかみ、飛び起きる。

 いやいやっ。

 いやいやいやっ。
 別に、ものすごく喜んでるとかじゃないですからねっ、と思いながら、
『もう寝たか?』
という京平のメールに、

『寝てませんっ』
とすぐ送信しようとして、

『寝てません。
 お疲れ様です』
と打ち直した。