わたしと専務のナイショの話

「京平、あんた、いつから、のぞみさんを好きだったの?
 高校からなら、犯罪よ~。

 いやあね、自分の息子が犯罪者なんて」

 のぞみさん、と伽耶子に呼びかけられる。

「うちの息子に送り迎えさせるなんて、貴女くらいのものよ。
 ちゃんと結婚してやってよね」

「嫌です」
とのぞみは言った。

 おい、と京平は言うが。

「だって、息子さんはわけわかんないし、おうちはお金持ちすぎて緊張するし。
 おかーさまは、なんかキラキラしすぎてて、怖いし。

 私、絶対、結婚なんかしませんーっ!」

「……お前、俺でも言わないような恐ろしいことを」
と京平は炭酸水の入ったグラスを手に固まっていた。

 だが、伽耶子は少しやさしい声で、
「京平にそんな言いたいこと言えるのも貴女くらいよ」
と言ったあとで、

「……京平をよろしくね」
と言ってきた。