わたしと専務のナイショの話

「でも、専務は、学校でも、すごくモテてたんですよー。
 生徒にも先生にもー」

「モテるのかもしれないけど、私だったら、こんな男と結婚するのは嫌だわー。
 いろいろうるさいし、めんどくさいじゃない」

 伽耶子の言葉に、はははーとのぞみは笑う。

「頑固だしねー。
 一度、言ったことは、絶対、引っ込めないし」

「私とのことだって、そうですよ。
 一度、私と結婚すると言ってしまった手前、結婚するしかないって感じで。

 私のことなんて、好きでもなんでもないのに、ひどいと思いませんー?」

「……誰が好きじゃないって言った?」
と横から京平が口を挟んでくる。

「でも、好きだとは言われていません」

「言ったろうっ」

「かもしれない、くらいじゃなかったですか?」
と突っ込むのぞみの後ろから、笑って伽耶子が言ってきた。