わたしと専務のナイショの話

 



「まあ、なんにせよ、よかったわ」

 一通り聞き終わったあとで、伽耶子はそう言ってきた。

「ともかく、頑固な子だから。
 見合いの話を向けても、まったく首を縦に振らないし、どうしようかと思ってたところだったのよ。

 お願いしますね、のぞみさん」

 今、なにをお願いされたのでしょうね、私は……。

「ともかく、マイペースな子だから」

 まあ、そうですね。

「相手の人は苦労するだろうなと思ってたんだけど、貴女なら安心ね」

 なにがどうっ?

 なにがどう安心なのですかっ?

 私はなにも安心できないんですけどっ
と思っていると、
「ところで、貴女たちはご飯食べたの?」
と伽耶子が訊いてきた。

「今日は話すだけだと――」
と言いかける京平の言葉を遮るように伽耶子は言う。

「だって、お腹が空いたのよ。
 京平、そこ右に曲がって」