わたしと専務のナイショの話

 ちょっとそんな風にも見えたので、訊いてみると、
「うちの母親が今、新幹線で着いたから、迎えに来いと言ってきたんだ」
と前を見たまま、早口に言ってくる。

「えっ?」

「普段なら、知るかというところなんだが。
 ちょうどいいいら、お前を紹介しようと思ってな。

 向こうもそう思ってかけてきたんだろう。

 滅多にそんなこと言ってくる人じゃないからな」

「ええっ?
 嫌ですよっ。

 緊張するじゃないですかっ」

 専務ひとりでも緊張するのに、専務が二人にっ。

 いや、違ったっ。

 似た感じに出来過ぎてて、他人に緊張を強(し)いる人が二人にっ!

「降りますっ。
 降りまーすっ」
と叫んでみたのだが、バスでもタクシーでもないので、とまってはくれなかった。