わたしと専務のナイショの話





 また、仕事終わるまで、待ってろとか言われてしまいましたよ。

 暇なのか? 専務、とのぞみは思っていたが、全然暇ではなかったらしく。

 帰り際、仕事で覗いてみたら、京平は、てんてこまいになっていた。

「待ってろ、坂下。
 必ず行くから。

 ああ、他の男とは待ってるなよ」
とよくわからないことを言ってくる。

 この間の御堂さんのことを言っているのかな?
と思いながら、のぞみは、

「じゃあ、本屋でお茶して待ってます」
と答えた。

 あまり急いで仕事をして、ミスされても困る。

 そう言っておけば、ゆっくり仕事してくれるかな、と思ったのだ。

「そんなところまで行かなくても、うちでゆっくりしててもいいんだぞ」
と言うので、

「……いえ、結構です」
と断った。

 ひとりで人のおうちに居るのも変だし。

 またお母様に遭遇しても困るからだ。