わたしと専務のナイショの話

 
 


「のぞみ」

 廊下で、いきなり後ろから呼びかけられ、ひっ、とのぞみは息を呑む。

 万美子の声だったからだ。

 トイレから出てきた万美子たちが、
「あんた、何処行ってたのよ。
 お弁当買って、みんなで公園で食べたのよ、今日」
と言ってくる。

「そ、そうだったのですか。
 ちょっと振り込みとかあったので、コンビニなどに」
と非常に曖昧なことを言いながら、なんとか笑顔を作ってみた。

 嘘って、苦手なのにな~。

 勘弁してくださいよ、御堂さん、と思っていると、廊下の向こうから祐人が現れた。

 だが、知らん顔をしている。

 ……そういう人ですよね、貴方、と思っていると、万美子が、
「祐人。
 新人の歓迎会行くの?」
と訊いていた。