わたしと専務のナイショの話

 まあ、それはそれとして、とのぞみは祐人を見ながら思う。

 永井さんって、弾みでそんなことする人には見えないんだけど。

 生真面目でやり手の秘書のイメージのままだと、男の人が寄って来ないから、わざと軽い風を装っているように、見えなくもないんだが。

 実は、もしかして、最初から、永井さんは、御堂さんを好きだったとか?

 いやいや、もしかして、軽く御堂さんにそんなことを言うために、軽い女のフリをしてたとかっ?

 そんな風に、のぞみは万美子の心配をしていたのだが。

 目の前の祐人は、睦子のことばかりを語っている。

「睦子は幸せ太りかな。
 ちょっと太ってたな」

 ……いや、結構太ってましたよ。

 あれがちょっとに見えるのなら、まだ、愛があるのですね、とのぞみは思う。

 睦子にどのような対応をされたのか、祐人は、
「女ってのは、昔付き合ってた男とは会いたくないものかな?」
と訊いてくる。

「はあ、未練がましい場合には」

 万美子の心配をしながら返事をしたので、つるっと本音を語ってしまった。

「お前付き合ったこともないのに~っ」
とキレられる。