わたしと専務のナイショの話

「具体的に言うと、主に、万美子に知れたらまずい」
と祐人は言う。

 え、じゃあ、もしかして、と思うのぞみに、祐人は、案の定、

「あれは別れた昔の彼女で、万美子の姉、睦子(むつこ)だ」
と言ってきた。

「あー……」

 そうなんですか、と言おうとしたところで、
「人妻だ」
と言ってくる。

 ……そうなんですか。

 それは切ないですね。

「まあ、バッタリ会って話しただけなんだが、万美子に知れたら、また、
『お姉ちゃんに未練があるんでしょー』
とか言ってきて、うるさいからな」

「あるんですか?」
とつい、訊くと、

「ない」
と祐人は言ったが、それが本当かはわからなかった。

「万美子はしつこいからな。
 延々と絡んで来られるとめんどくさいんだよ」
と祐人は溜息をついたあとで、

「絶対、万美子にバラすなよ。
 そのために、睦子にも口止めしてあるんだから」
と睨んで言ってくる。