「今のは誰だ」
「さっき言ってた運命の人ですよ」
帰る道々、のぞみたちはそんな話をしていた。
すると、
「なるほど、確かに運命の人だったな」
と京平が言い出す。
「初めて、お前が俺のことを自分の彼氏だと紹介した、運命の女だ」
いや、あの状況で否定したら、なんだか悪いからですよ、とのぞみは思っていた。
「彼氏だとは言ってませんよ。
彼氏じゃないって言わなかっただけです」
そう言い訳しながら、二人並んで歩く。
だが、京平との距離は、不思議に近くなったり、遠くなったりしていた。
なんでだろうな? と思いながら京平の方を窺ったとき、京平のマンションが見えてきた。
のぞみは唐突に足を止め、
「あっ、えーと。
もう帰ります」
と声を上げた。
「どうせタクシーで帰るのなら、この辺りでタクシー捕まえた方がいいと思うんで」



