わたしと専務のナイショの話

 



 ちょっと待っていると、同時に二組出たので、のぞみたちもすぐに入れた。

 のぞみはつるつるの大きなメニューを広げて言う。

「わー、なんかドキドキしますねー。
 こんな値段で、いろいろ中華が食べられるなんてー」

 安い代わりに、皿は小さいが、いろいろと種類が多く、楽しめる感じのメニューだ。

「お前、呑んでいいぞ」
と京平が言ってくる。

「え、ひとりでは呑めません。
 専務に悪いじゃないですか」

「お前をタクシーで帰してもいいんだが。
 それだとなんのために、俺が迎えに行ったんだかわからないじゃないか」

 今日は俺が車で送りたかったんだ、と京平は渋い顔で言ってくる。

「いいじゃないですか。
 また迎えに来てください」

 あ、また迎えに来てくださいって自分から言うのは変だな、と思ったのだが。

 ひとりで呑むのは悪い気がして、つい、そう言ってしまったのだ。