わたしと専務のナイショの話

「かけてくるわけないだろ。

 そのくらい公明正大にやってますよ、とこちらが言うことで。

 本当になにもしてないとは思わないけど、そう言って気を使って言ってくれるだけでも、やっぱり、先生は、他の男友だちとは違って、なんだか安心ね、と親に思わせるためだ。

 ま、高校時代から、お前には、本当に友だちな男友だちたちしか居なかったようだがな」

 うーむ。
 自分の過去を知る男というのも困ったものだな。

 いや、なにもなかった、という哀しい過去を知る男なのだが……。

 そんなことを思うのぞみを京平は見下ろし、
「まあ、なにかしてる最中にかかってきても、俺かお前が平然として出ればいいだけの話だしな」
と言ってきた。

 いや、なにもする予定はありませんし。

 なにかされてるときに、うろたえずに出ろ、と言われても、出られる自信はありません。

 そんな経験もないし、度胸もないので、とのぞみは思っていた。