「へー、俺の母親に会ったのか。
俺でも、滅多に出会わないレアなキャラなのに。
運命かな。
挨拶しとけと神様が言っているんだろう」
……言うと思いましたよ。
リビングの白いラグのど真ん中に正座したのぞみは、京平の言葉を聞きながら、そう思っていた。
家に帰ってきた京平は脱いだ背広をハンガーにかけたりしながら、普通にくつろいでいる。
シックにまとめられた調度品と見るからに造りのいい家具のせいか。
さっきまで、普通に家族で住めそうだと思っていたこのマンションが、京平の部屋に一歩入った途端、高級マンションに見えた。
なんというか、専務っぽい部屋だ……。
几帳面に片付いていて、なにもかも質のいいものが置かれている。
長年、使えば使うほど、いい味出してきそうなものとでもいうか。
そんなことを思いながら、のぞみは緊張して、リビングのラグの真ん中に正座して座っていた。



