わたしと専務のナイショの話


 

 そして、夕方、案の定、京平の仕事は終わらなかった。

「自宅には帰らず、俺の家で待ってろよ」

 帰り際、専務室に仕事で行くと、京平はそう言い、睨んでくる。

「勝手に帰って寝てたりしたら、夢枕に立つぞ」

 ひい。
 直接、枕許に立ってそうなんですが。

 うちのお母さんの手引きで……。

「ほら、タクシー代」
と渡されたが、地図を見たところによると、無理すれば歩いていけない距離でもなかったので、

「結構です」
と断る。

「途中で、痴漢や暴漢に襲われたらどうする。
 お前のお母さんやお父さんに申し訳が立たないだろうが」

 いや、私本人には?
と思いながらも、押し付けられたので、結局、受け取ってしまった。