わたしと専務のナイショの話

  



 京平の車で夜の街を走りながら、のぞみは、緊張するんだけど、緊張しないな、と思っていた。

 前に、男の子の友だちの車に乗ったときは、座りが悪いというか、妙に落ち着かなかったのだが。

 そういう感じが今はない。

 黙っていると、
「どうした?」
と京平に訊かれたので、その話をしてみると、

「そりゃあれだろ。
 単に、その男の車のシートが合わなかったか。

 お前が俺のことを好きかのどっちかだ」
と言われる。

「いえいえ、そうではなくて――」
と言い訳しかけたところで、いきなり、片手で頬をつかまれ、引っ張られた。

「それはともかく、簡単に男の車に乗るなよ~っ」

「今、乗ってますっ」
と頬を引っ張られながらも訴えると、

「俺はいいんだよっ」
と言われた。