わたしと専務のナイショの話

 今から死ぬ気か? というくらい、幼い頃からの思い出が走馬灯のように過ぎる。

 ありがとう、お父さん。

 専務の魔の手から守ってくれ……

 ……たのかはよくわからないが。

 京平は決意を込めて語ってきた。

「俺もお前のことも大事にしなければなと思わされたよ」

 ……いや、ずーっと疑問だったのだが。

「あのー、専務は私のことが好きなんですか?」

 そう問うと、京平は少し考え、

「……わからない」
と言ってきた。

 わからない!?

 あそこまでやっといて?

 いや、手を握り、キスするぞと宣告しただけだが。

 京平は駐車場にあるおのれの車を見つめ、
「お前を好きかは、正直なところ、まだわからない。

 だが、なんでだかわからないけど。
 俺はお前と結婚する気がするんだ」

 理屈じゃないんだ、と京平は言う。