「今から俺達が会おうとしている人魚」

「黒胡麻様はな」

「両生類の魔王と言われているんだ」

「父さん父さん魔王が居るよ」

「あはは坊や、それは人魚だよ、ボン!」

タマは指人形で即興劇をしました

「分かるか?坊やの頭は吹っ飛んだんだ」

「はぁ?何言ってるのタマちゃん?」

「全体的に意味が分からない・・・」

イーディスは自分の指でやってみましたが

どうもうまくいきません

「その昔人魚は王子様と恋に落ちました」

タマはまた指人形で劇を始めました

「二人は愛し合い可愛い男の子が産まれ」

「永遠の幸せが訪れると思いきや」

「なんとその男の子は」

「普通の人間だったのです」

毛皮のポケットに入っていたロリポップを

元気一杯舐めていたイーディスは

ぴんと指先を伸ばし手を挙げました

「はいはーい!アリウムの王子様・・・」

「あっ、今の王子様ね」

「妖精の類じゃないんですかー?」

タマは静かに首を振り

また指を動かし出しました