「知っているかい?アルキ君」

「白夜城の樹の存在を」

探偵は少年を後ろから抱き言いました

「あっ・・・先生・・・」

「こんな場所に僕を連れてきて」

「何をするつもりですか・・・?」

探偵は少年のサスペンダーを指で弾くと

狼の様な眼差しで辺りを見回しました

「若い少年少女達が」

「夜な夜な姿を消すらしいのだよ」

「目撃者に話を聴くと」

「獅子頭の杖を買った男の子が」

「歩く樹の化け物に手を引かれ」

「村外れの大樹へ向かって行った」

「そこからはちょうど一分ごとに」

「子供達の断末魔の様な金切り声が」

「風に乗り聞こえてくるらしい・・・」

耳を噛まれた少年はへたり込み

尻餅をつきました

「さぁ、行こうアルキ君」

「続きはこの事件が解決してからだ」