ポケットに入ったままだったペンを使って、壁にそう書いた。


「紅葉……?」


煌聖に私の姿は見えない。


だけど、その煌聖と確かに目が合ったんだ。


それは偶然なんかじゃないよね……?


「煌聖…私はここだよ……」


もう会えなくなるけど…ずっと大好きでいたい……。


それくらい…許してくれないかな……。


「紅葉……ごめん…。俺、紅葉のこと利用してただけなんだ…」


〝わかってる。でも私は好きでした。今までありがとう〟


「紅葉……。俺…」


煌聖の言葉を最後まで聞く前に、私の体はキラキラと光輝き始めた。


そして、煌聖が小さくなっていく……。


私が天に上がっていってるのかな…。


これが成仏…か。


もう思い残すことはない……。


「ありがとう…煌聖。さようなら……」