LIFE or DEATH ~命懸けの心理戦・頭脳戦~

「ちょっと待て」


安心してると、煌聖が口を挟んだ。


「彼も異議があるみたいね。私もあるけど。おそらく…同じことを考えてると思いますよ。どうやら彼とは気が合いそうです」


夢乃さんが言った。


ソフトだけど、どこかトゲがある。


そんな声と口調で、一瞬で部屋の空気を変えた。


「夢乃さん、どういうことですか?」


「夢乃って呼ばないでください。私、この名前が嫌いなんですよ」


……葛城さんの家庭事情は複雑なのかもしれないな。


「わかりました。それで、異議ってなんですか?」


葛城さんには説明する気はないらしい。


だから、煌聖が口を開いた。


「全員が生き残るのは不可能だ。


全員が生き残るには、敗者を作らなければいい。


だとしたら俺らがとる行動は1つ。


引き分けにすることだ。


引き分けにするにはリスクがある。


全員が敗者だと運営センターが捉える場合があるということだ。


そうなったら、全員が死ぬ。


さっきの放送で、〝1回の勝負につき一人の敗者が出る〟とは言ってなかった。


つまり、引き分けにすると自分が死ぬ可能性が生まれるわけだ。


それを知ったお前らはどうする?


自分だけが勝とうと裏切りが起こる。


裏切られた側は間違いなく排除される。


つまり、引き分けにすることなんて不可能なんだよ」