やっと私は解放される。


「早乙女さん。甘いですね。裏切られますよ?七瀬さんに」


投票ボックスに用紙を入れようとした星彩さんに葛城さんが言った。


「裏切られる……?」


ピタリと星彩さんの動きが止まった。


「はい。七瀬さんは紫に入れるつもりです」


!!


「俺はそんなこと─」


「どうでしょうか。これは他人を蹴落とすGAME。甘ければ蹴落とされる。だったら自分が蹴落とせ。そうじゃないでしょうか。七瀬さん」


葛城さんは、最後の最後まで私の邪魔をする。


私が死ぬ邪魔をする。


このまま誰も何も言わなければ何も起こらずに私1人が排除されて終わるのに。


「俺はそんなことしない。だったらその目で確かめればいい。俺は赤って書く」


薫さんは全員の前で赤と書いた。


それを確認した星彩さんは入れかけた紙を今度こそ投票ボックスに入れた。