「紅葉は負けない。俺が負けさせない。生き残るのは紅葉だ」


生き残りたくない。


自分が耐えられない……。


「煌聖…もう私はいいの」


だからもういい。


私は負ける。


〝生〟を諦め〝死〟を選ぶ。


「……本当にそれでいいんだな」


無理に説得しようとしないのも煌聖の優しいところ。


「うん」


私がそう頷いた時、唇が一瞬重なった。


「煌聖……」


煌聖の表情は相変わらず読めなかったけど、今のキスは別れのキスだってことだけは分かった。