さっきから、煌聖も葛城さんも、絶対に♠→♥の順にカードをめくっている。


何か抜け道があるのを二人は見破ってるんだ。


海姫さんはそれに気づいてない。


「…私、海姫さんを蹴落としてまで4回戦に進みたくない……」


「今さら何を言い出すのかと思えば。相変わらずあなたは甘いですね、朝比奈さん」


葛城さんには私の考えが分かるわけない。


他人を殺すことに抵抗を覚えない葛城さんに、私の気持ちなんてわからない。


「仮に辰巳さんがそれを認めたら、私はすぐに自分のカードを彼に渡します。


彼が最下位になることはありえない。


辰巳さんは私にとって最高のライバルなんですよ。


こんなところで死なれては困るんです。


朝比奈さん。


死にたければ4回戦でどうぞ負けてください。


それまでは我慢してください。


子供じゃないので少しくらい我慢できますよね?」