……すごい…。


すごすぎる。


『……あなたは…私に勝つために彼女を犠牲にした。わたしが悪人ならあなたも悪人です』


葛城さんの声は少しだけ震えていた。


『お前はもう1つ勘違いしているみたいだなぁ?』


勘違い……?


『………』


『このゲームで負けても排除されない』


え……?


『引き分けになったら排除されるが、負けたら排除なんてことは1度も言ってない』


……言われてみれば…。


『俺はお前と違って守りたい奴がいるんだよ。お前と一緒にするな』


煌聖……。


『…愛なんてくだらない。この世の中は甘ったるい愛なんか役に立たない。邪魔になるだけです』 


葛城さんはそう言って立ち上がり、ガラスケースの扉に手をかけた。


『負け惜しみか』


煌聖の言葉に振り返り、一言。


『体験談です』