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クイーン戦の最中、誰も喋らなかった。
ただ試合を見てるのみ。
試合の進行も非常に静かだった。
そして、海姫さんは勝った。
「葛城夢乃。あんたのこと応援すんのムカつくからしたくないけど、死にたくないから勝って」
ガラスケースから出てきた海姫さんがブスっとした顔で言った。
「言われなくてもそのつもりです」
せっかく海姫さんがそう言ってくれたのに、冷たい態度のまま、誰とも視線を合わせることなくガラスケースに入っていってしまった。
「なんなの、アイツ。ホント腹立つ。敵だったらマジで殺してる」
殺すだなんて物騒な…。
縁起でもない…。
「………。でもさぁ、煌聖さん本当に葛城さんに勝つつもりなのかな?私、それはあり得ないと思ってるんだけど」
煌聖もガラスケースに入ってから海姫さんが言った。
「…どうだろ…」
煌聖は、私のために負けるかもしれない……?
そんなわけないよね…?



