【成れの果て】 時の流れはきみの中から ひとつの感情を消し去ってしまった わたしがいくら 言葉の端に気持ちを置いても きみの心に残りはしない 置き去りになった言葉は 泡沫のように消えていく ふたりで過ごした時間の その成れの果てが無情ならば わたしはどう嘆けばいいの 無情を蹴飛ばすだけの勇気もないというのに 握った拳、 親指の爪を人差し指に食い込ませ 残酷なほど美しい月を見上げた 絶望と繋いだ手の感触は 驚くほど悲しい