パパが休みでもないのに帰ってきた。
ママと喧嘩してた。
パパが夜ご飯作ってくれた。
ママはご飯いらないって言ってたと
パパが言うから、わたしはおにぎり2つ
歪な形の具なしのおにぎりをママに
持って行った。
ごめんね、澪那。
それがママの最後の言葉だった。
次の日、学校から帰ってきた私の目の前を
消え去っていくママの車があった。
泣きわめいてる妹を必死に止める
下の家のおばあちゃん。
雨降りのまだ寒い1月。
ママとパパは離婚した。
不倫に借金。澪那への虐待
施設から子供を預かるとパパに連絡が
入っていたみたいだった。
澪那に生命保険を掛け
事故に見せかけ殺そうとしていたことも
ママがパパに話したことでわかった。
身体に痣がいっぱいあるから
ずっとパパに見つかるのが怖くて
避けていたけど、その日パパに見つかった。
パパは私を抱きしめ
ごめんな、ごめんな、って涙を流して
パパが守ってやれなくてごめんな。
ってずっと抱きしめてくれていた。
パパ、違うよ
ママは澪那のことが好きだから
叩いてたの。澪那だけだよ?
ママに叩かれてたの。
そう言ったら、パパは何も言わず
頭を撫でてくれた。
パパの腕の中は暖かかった。
今でも覚えてる。
