しかし

少女は15歳の時に暴漢に襲われ

むごいことをされた挙句

瀕死の状態で見つかった

まっさらでキメ細やかな肌は擦り傷だらけ

至る所に青タンが見られ

腕からは真っ赤な血が幾多にも流れ、血の海を作り

頬は腫れ上がっていた

家族をはじめとする親しい者達は彼女の回復を祈った

しかし

彼女は身も、心もさえも

ズタズタに切り裂かれていた

"ワタシハダレカラモアイサレナイ"

"ワタシヲミテクレルヒトハイナカッタ"

"ダレモタスケテクレナイ"

感情がうずまき、彼女を蝕んでいった

そして───

瀕死の状態で見つかった少女は

何故か急速に回復した。しかし

元のような、笑顔は

二度と見れることはなく

彼女は

心を閉ざした



月日は流れ、少女は18歳になっていた

一つも笑わず、悲しまず

喜怒哀楽のない表情

彼女の肩書き目当てに群がる人々はいるものの

愛想をつかし、他の肩書きを目指すものも現れた

そんなことはどうだっていい。早く、新たな世界が現れてくれないか

彼女はこればかり考えていた