「紗奈先輩・・・・・・離れててください」

治癒をやめて、立ち上がったあたしを驚いたように見つめる紗奈先輩

「彩音ちゃん・・・・・・?」

なにをするのか、そんな目で見てくる

自分を信じて・・・・・・そうか、わかった

由香里さんの言葉の意味が

そっか・・・・・・そうだったんだね

自分を信じればいいんだ

今まで、あのドラゴンの一件があってから、魔法を使うことに恐怖を覚えてたから

だから、コントロールが難しくなってたんだ

大丈夫・・・・・・成功する

自分を、信じて

「癒しの気よ、その名を示し、我が声を聞け!我が名に従い、術を受けいれよ!」

その刹那

あたしから暖かな光が溢れた

聖理奈にその光をありったけ浴びせる

「きゃあっ」

光の強さに目をくらました紗奈先輩の小さな悲鳴が聞こえた

あたしは黙って、その様子を見ていた


光が収まった頃

聖理奈の傷は完全に癒されていた

血は止まり、傷は塞がっている

ずっと突き刺さっていた槍も、跡形もなく消え去っていた

魔法で作った物か・・・・・・

「あ、彩音ちゃん・・・・・・貴女・・・・・・・・・・」

何かを言いたそうにしている紗奈先輩

確かに、そりゃそうだろうね

呪文を唱えて魔法を使うのは────魔法界の魔法使いだけだから

「ん・・・・・・」

小さく声を上げて、聖理奈がうっすらと目を開けた

「聖理奈ちゃん・・・・・・」

紗奈先輩がゆっくりと起き上がらせる

「あたしは・・・・・・」

手のひらを見つめながら、混乱した様子の聖理奈