寝坊なんて、初めて。



目覚ましが鳴ったのも気づかなかった。



ううん、眠りが浅かったからもう少し寝ようと思って2度寝したんだっけ。



「どうしよう…遅刻だよ」



「たまには、いーんじゃね?」



明るい顔の陽向くんが恨めしい。



「遅刻常習犯に言われても、なんの慰めにならないよ」



「ひでぇ。千衣は、いつも頑張り過ぎだろ。たまには息抜きも必要」



「そんなことないもん」



「学校には、体調悪いからって連絡してる。ゆっくり用意しろよな」



「そうなの?」



「そ。おばさんが、千衣の心配してた。珍しく夜中に何度も起きてたって。体調悪い?今日休んでもいいっつってたぞ。あ、俺に任せて仕事行ったけどな」



そうだったんだ…。