「この上、座れよ」



しゃがんでいたあたしのお尻のところに、カバンを置く。



「ええっ、いいよ」



「ケツ痛くなるだろ?」



「そんなの陽向くんのカバンが潰れちゃう」



いくらなんでもそこまで甘えるわけにはいかない。



「だったら膝の上来る?」



嬉しそうにウェルカムとか言ってるけど、余計座れないから!



「いいの、大丈夫」



もう諦めた。



草の上に直に座る。



虫とか…いないよね?



指で草を軽く避け、座りやすいように体勢を整えた。



「ごめんな、最低の初デート」



「こんなのっ、デートじゃないし」



デートって!



学校でただ一緒にいるだけだし…。



「なー…いつする?」



へ?



隣でニコニコと笑っている陽向くん。