「……天音くん。あの人にお金を取られてるの?」
私はおそるおそる尋ねる。
パンを買わされていた時もヘンだと思ったけれど、これは完全に友達同士がやる行動じゃない。
「先生に相談したほうがいいんじゃない……?」
「月岡さんには関係ないだろ」
「え、ちょっと……!」
天音くんは嫌悪感を剥き出しにして、科学室とは反対方向に歩いていった。
あの雰囲気だとお金を貸してと言われたのは初めてじゃなさそうだったし、ああやって普段から脅されているのかもしれない。
今すぐにでも私が先生に言いにいったほうがいいだろうか。でもそれが逆効果になって、さらに酷いことをされてしまったらどうしよう。
考えた末に、私は松本先輩に相談することにした。
先輩も天音くんがパシりにされていたところを目撃しているし、なにか一緒に解決案を考えてくれるかもしれないから。



