心にきみという青春を描く




それから二週間後。美術展に出品した作品が藤田先生を通して手元に戻ってきた。


優秀賞をもらった詩織先輩には賞状と記念品が一緒に添えられていて。松本先輩にも評価された箇所が詳しく記されている紙が送付されていた。

今回の美術展は先生が突発的に言い出したことで参加することになったけれど、みんな自信に繋がったし、これからの向上心にも繋がったと思う。

一般公募の美術展は夏休み明けにもあるそうで、早くもみんな次の作品はなにを描こうと意気込んでいた。


私はやる気に満ち溢れているみんなを横目に、戻ってきた自分の作品を見つめていた。なぎさ先輩がいつも使っていた青色だけで描き、一番色が映える部分にはコバルトブルーの絵の具を乗せた。


先輩は作業中から完成までの間、一度もこの絵を見ていない。

だから早く届けたいのに先輩は今日、部活だけではなく学校自体を休んでいた。


もしかしたら、この雨で体調を崩してしまっているのかもしれない。そんな心配が顔に表れていたのだろう。

「気になるなら行ってみれば」と、天音くん。
同意するように詩織先輩も松本先輩も頷いていた。


――『出品して手元に返ってきたら……貰ってくれますか?』

『うん。ちょうだい。部屋の一番いい場所に飾るよ』


あの時の会話が頭の中でよみがえる。


私はキャンバスをぎゅっと握りしめたあと、みんなに背中を押されて美術室を出た。