心にきみという青春を描く




白い壁に飾られたたくさんの作品。絵画の下には作品名、名前、学生の人ならば学校名が記載されているプレートまで付けられている。


「私、美術の展覧会って実は初めてです」

「有名な画家の人の作品だと入場料がかかるけど、こういう一般公募のコンクールは出品してもしてなくても自由に出入りできるから、けっこう楽しめるよ」


どうやら詩織先輩は、美術展めぐりが趣味のようで時間がある時には見にくるようにしているのだとか。

他の人たちの作品のレベルの高さに圧倒されながら、最初に見つけた絵は……。


「あ、天音くんの絵があるよ!」

本人よりも私のほうが興奮気味。天音くんの作品は鉛筆だけのデッサン画。

モデルは自分の漫画に出てくる美少女のキャラクターで、その子をよりリアルに人間らしい顔つきで仕上げた作品だ。


作業中は何度も天音くんの描いた絵を見る機会があったけれど、締め切り日が近づくとみんな自分の作品の追い込み作業をしていたので、どんな完成になったのかは確認していなかった。


天音くんの絵は本当に繊細で美しくて、天使のような少女と目が合うだけでドキドキしてしまう。


「すげえな、天音」

「うん。すごく素敵!デッサン画でもなかなかこんな風に魅力的に仕上げられる人はいないよ」


松本先輩と詩織先輩も大絶賛。天音くんは恥ずかしそうに「ありがとうございます」と小さな声で言っていたけれど、顔はとても嬉しそうだった。