心にきみという青春を描く




それから数日が経ち、本格的に梅雨入りとなったこの町でも、連日雨が降り続いていた。

湿気などが多くなると紙に絵の具が乗りにくくなるため、美術室では換気を小まめにやっている。


そんな中で、なぎさ先輩は部活に来なくなっていた。


松本先輩いわく美術展に参加しない自分はみんなの作業の邪魔になるからと言っていたらしい。

気遣いがあるなぎさ先輩らしいけれど、それは本当の理由じゃない気がする。


そういえば、久しく先輩が筆を持つ姿を見ていない。

学校で描いていないだけで、家では描いているのかどうかさえ分からない。


少なからずあんなにズボンやパーカーに絵の具をつけていた先輩の洋服はとても綺麗で。このまま先輩が絵を描かなくなってしまうんじゃないかと不安になる。


先輩と話したいし、先輩の笑顔を見たいけれど、今の私がやるべきことは目の前の作品を完成させること。

美術展の応募締め切りまで、あと一週間だ。