心にきみという青春を描く




「お邪魔します……」
 
そのあと葵は約束どおりうちにきた。もっとガツガツと家に上がり込むと思いきや少し緊張した顔をして、しっかりと脱いだ靴を揃えて中に入った。


「実は私、男の人の家に上がるのは初めてなんです」

「そうなの?」

葵は友達が多いし、同級生の男子と喋ってるところも見たことがあるから、てっきり遊びにいったりしていると思ってた。


「なんか先輩は慣れてる感じですね」

「そんなことないよ。俺も女の子を家に入れたのは葵が初めてだよ」

「本当ですか?」


急にパッと表情が明るくなり、いつもの葵らしさが戻ってきた。リビングにはテレビとソファーぐらいしかないので、すぐに俺の部屋へと案内した。

ガチャリとドアを開けると、部屋は当たり前に今朝の状態のまま。今日は急いでいたから洋服も脱ぎっぱなしだし、なにより最近床に敷くようにしたブルーシートがかなり奇妙な光景だ。


「想像よりもすごいでしょ?」

もし友達の部屋に来てこんな状態だったら間違いなく俺は引く。


「はい……。けっこう、まあ、すごいですね」

さすがの葵でもビックリしていた。

葵は本当に足の踏み場のない部屋をつま先立ちをして歩き、壁に沿うようにして積まれているキャンバスを手にとった。