心にきみという青春を描く




「っていうか、誰が作ったの?」

最初に聞くべき質問だったと思うけど、あまりにケースが綺麗に仕上がってるから使った画材や作る過程のほうが気になってしまった。



「誰って……妹だよ」

日向は仏頂面でぼそりと答えた。


日向に妹がいたなんて初耳だ。でもこれ以上、聞くなというオーラが放たれていたので、詳しくは尋ねなかった。


教室に担任が入ってくると喧騒としていた雰囲気が落ち着いた。俺も自分の席へと戻り、次々と呼ばれる点呼の順番を待つ。


その間、頭に浮かぶのはスマホケースに描かれていた絵。


鮮やかな色をした背景に、手を伸ばせばまるで実体がそこにあると錯覚してしまいそうな一輪の花。


それは、青いひまわりだった。


どうしてひまわりが青いのか。それを日向に聞くことはできなかったけど、俺がその理由を知るのは一年後。


――彼女がこの中学に入学してきた春だった。