心にきみという青春を描く



「……はあ」

部活が終わって私は校舎を出た。さっきからため息ばかり。なぎさ先輩のことが気になって気になって仕方ない。

なのに、先輩は部活終了とともにすぐに自転車で帰ってしまった。

 

「ねえ、あの人カッコよくない?」
「本当だ!どこの高校だろう」

テニス部の女子たちが校門を見ながら色めいていた。


そこにはひとりの男子生徒。ワイシャツに緑色のネクタイ。誰かを待ち伏せしているように下校していく生徒たちを確認している。


……あれ、あの制服って。

おそるおそる足を進めると、その人物と目が合って「おい」と乱暴な声で話しかけられた。 


「お前、昨日あいつと一緒にいたよな?」

それは、森ノ宮高校の日向くんだった。


「あいつまだ学校にいる?」

日向くんが指す〝あいつ〟が誰のことなのか考えなくても分かる。



「……なぎさ先輩なら、もう帰りましたけど」

きっと数分の差だったかもしれないけど、先輩とこの人が鉢合わせにならなくてよかったと思ってる。


先輩はこの人と会ってからずっと心ここにあらずという感じだし、先輩が乱暴な言葉を言われているところも見たくない。