心にきみという青春を描く




次の日。午前中は昨日と同様に広場で絵を描いて、お昼前にはログハウスを出ることになった。


「忘れ物はないようにしろよ」


先生の言葉に再度部屋を確認して、私たちはバス停へと向かった。


最初は反対していたみんなも「また来たい」と口を揃えて言っていて、美術室の中だけじゃ感じられないインスピレーションを受けられた気がしている。



「……なぎさ先輩は楽しかったですか?」

「楽しかったけど、藤田先生のいびきがジュラシックパークみたいで寝られなかった」


たしかに恐竜みたいな雄叫びは二階までばっちりと響いていたけれど、川の字の隣で寝ていた先輩より影響は少なかった。


「じゃあ、今度は夏休みとかにみんなで来ましょうよ」

今回はあまり遊べなかったし、公園内にはまだまだたくさんの施設があるらしいから。


「んーそうだね」

寝不足が原因なのか、それとも乗り気ではないのか、先輩にうまく流されてしまった感じがする。


バスが来るまであと5分。みんなが雑談をしてる中で、向こうから数人の学生たちが歩いてきた。


制服は緑を基調としていて、持っていた木製の画材ケースには【私立宮ノ森高等学校・美術部】の文字。

私たちと同じようにゴミを持ち帰ってきているということは、この人たちも合宿帰りなのかもしれない。


他校の美術部の人に会うのは初めてだ。高校名が入っている画材ケースってことは部活で配布されたものなのかな。


……いいな。うちは部費なんてほとんどないらしいので、美術室にある絵の具以外は全部自費だ。