心にきみという青春を描く




詩織先輩は私の恋を応援してくれている。それは本当にお姉さんみたいに優しく見守ってくれているのが分かる。だから私も詩織先輩の恋を応援したい。

でも今は……純粋にそう思えなくなってしまってる。

私はぐっと、手に力を入れて先輩のほうに身体を向けた。



「先輩の彼氏って、村尾さんですよね?」

「え?」

「すいません。私、見ちゃいました。予備校の時に詩織先輩と村尾さんがキスしてるところ」

いつも冷静な先輩が少し気まずそうな顔をした。


「……そうだったんだ。なんかごめんね。軽率よね、予備校の空き教室でなんて」

「先輩は……その、警戒心がある人というか、見られる可能性がある場所でそういうことをしない人だと思ってました」


言ったあとで少し上から目線だっただろうかと反省したけれど、キスをしていたことより、キスをしていたのが詩織先輩だったということにあの時はすごく驚いたから。


「うん。他人だったら、私も絶対呆れちゃう。でも、なんだかんだ言って自分には甘くなっちゃうのよね。人に厳しいことを言ってるくせに恥ずかしいんだけど」


責めたつもりはなかったので、私は全力で首を横に振る。