心にきみという青春を描く




「すずめはいるの?彼氏」と、先輩が何故か質問を聞き返す。


「いるよ。これから泊まりにいくところ」

「え、泊まりに?聞いてないよ」


過剰に反応したのは私のほう。むしろ彼氏がいたことも聞いてない。

いつも外で見かけるたびに違う男子と歩いているなとは思ってたけど、妹はまだ中一だし、彼氏なんてまだいるわけないって思ってたから。


「お母さんには言ったもん。じゃあね」

「え、すずめ……!」


妹は私の声を振り切り、そのまま出掛けていってしまった。

静寂に包まれる空気。嵐が過ぎ去ったあととはまさにこのことだ。


「生意気な妹ですいません。あと玄関先でお騒がせしました」

私はそう言って、妹がコーディネートの際に散らかした靴を片付ける。

私は片手で数えるぐらいしか持ってないのに、一体なん足あるんだろう。おかげで靴箱はほとんど妹の靴で占領されてしまっている。


「あのぐらい、ませてないと今はおかしいよ」

先輩はクスリと笑い、「お邪魔します」と家の中へと上がる。