「お母さんに連絡しましたよ。事情を話したら大丈夫でした」
「本当に?よかった」
スーパーを出て私たちは家まで並んで歩いていた。先ほどのレジ袋を先輩は片手に持ち、長く伸びた影がコンクリートに映っている。
「先輩とこうしてうちに向かってるなんて変な感じがします」
しかもこのあと家に上がってそのまま一夜を過ごすなんて……。今さらすごいことを受け入れてしまった気もしてるけど。
「本当に迷惑かけてごめんね。なつめが鍵なくした時はうちに泊まっていいから」
先輩に悪意はないけれど、本当に後輩を通り越して異性にすら見られていない気もしてきた。
「泊まりませんよ!それに私は鍵をなくすようなことは絶対にしませんから」
ムスッとした表情をしながら、ホームセンターの駐車場の横を通りすぎる。
……と、その時。一台の黒いワゴンが右折してきて、そのままホームセンターの駐車場に停まった。
「え……」
私は思わず足を止める。「どうしたの?」と言う先輩の手を引っ張って、私はとっさに電柱の影に隠れた。
「スパイごっこ?」
「しーー!」
先輩のお喋りを止めながら、私は車から降りてきたふたりを目で追う。
間違いなく車を運転していたのは村尾さん。
それで、助手席から下りてきたのは、詩織先輩ではなく別の大人の女性だった。



