心にきみという青春を描く




「……先輩!」

私は心配になり、そのあとを追いかける。先輩は東棟へと続く渡り廊下にいた。柵に寄りかかるようにして座り込んでいて、私もそっと隣に体育座りをする。


「情けねーよな」

先に口を開いたのは松本先輩だった。


「彼氏がいることは分かってたっていうのに、まさかああいう場面を見るなんて思ってなかったし。しかも相手があの人だったなんて……」

「……私もビックリしました」


年上といってもせいぜい大学生かなって思ってたし。村尾さんはかなり大人の男性だからきっと年齢は一回り以上離れていると思う。


「まあ、俺は最初から笹森とどうこうできると思ってないし、元から望みのない片想いだったんだけど、やっぱり自分でも引くほど落ち込んじゃってさ」

「引かないですよ。当然です」


むしろよく部活にも顔を出してくれたなって思う。変に思われたくないって配慮だったんだろうけど、やっぱり元気が出せないほどのダメージだったことは知っている。