「手術は、上手くいったよ。」


そう告げる春のお父さんの目は、あまり良い知らせを聞かせてくれる目では、なかった。



「ただ目覚めるかわからない。ずっと眠ったままかもしれないしいつ起きるかも。もしかしたら植物状態になるかもしれない。俺から言えるのは、ここまであとは、透が来てからじゃないと無理だ。」



私は、これまで何度絶望を味わえばいい?



植物状態。生きているのに喋れない。手を繋げなくて笑い合うことさえ一緒に星を見ることもできないんだ。



数分後隣の県にいた透さんが到着した。



「星ちゃん!!何が!何があったんだ!」



透さんの怒鳴る声ですらも私にとっては、ただ遠い声のように届かない。



「透。来たか話をする。」



「あぁ。わかった。星ちゃん君も一緒に話を聞こう」



はいと返事をしてついて行く。



個室に入って話が始まった。



「透。よく聞け。神楽君は、命は、大丈夫だ。だがないつ起きるかもわからないしこのまま眠った状態言わば植物状態になるかもしれない。植物状態になった人は、安楽死を選ぶ人もいればずっと眠ったまま起きるのを信じてまつ人もいる。それは、透。お前が決めることだ。この先の事をよく考えてくれ。」




春のお父さんが話をする。



私の頭には、安楽死。この言葉しか入ってこなかった。



「神楽が死ぬってことですか?生きてるのに?もう会えなくなるんですか?神楽の笑顔も怒るかも見れないんですか?嫌です。そんな絶対に…ぜっぅたぁぁいにいやぁぁァァァうっァァ」



そこで初めて涙が出ただってもう会えないかもしれないですって告知されるんだよ?



ほんと数文字の言葉で…



「星ちゃん。一緒に話し合おう。」


どうして透さんは、そんなに強いの?


涙ひとつ流さずに…どうして…