「んで、それから家に帰って
母さんと久しぶりに語ったんだよねー

すごく楽しかった。

それから1ヶ月も立たないうちに母さんは亡くなった。」


はるちゃんと拓翔くんの出会いを聞いて
なんだか暖かくなった。

2人は初めてあった時に
試練を乗り越えた経験があるんだと思った。


「じゃあ、運命じゃなくて
お母様が連れてきてくれた天使かもね。

はるちゃんは。」

「恭也くん、お母様って!!

まぁ、そうかもね。」


きっと、話したら思い出したんだろうな。
お母さんの面影を。

拓翔くんは少し上を見て微笑んでいた。



「お母さんが亡くなってからすぐはるちゃんとお付き合いを?」

「いや、春奈は天然過ぎるくらいに抜けてるから心を掴むの苦労したんだよなー

だから、すぐにとはいかなかった。」


やっぱり、愛菜と似ているんだなぁ
プレイボーイの拓翔くんが苦労するんだもんね。


「初めて必死になって落とそうとした。

手に入れて満足すると思ったけど
春奈は毎日驚かせてくれるから
俺は失いたくない気持ちが大きくて、春奈に真っ直ぐになった。

本当に天使だ。」


「僕も。愛菜は天使だと思っているんだ。」



似たもの同士だな
通じあった気がした。


客席を見下ろすと愛菜とはるちゃんが
まだかという表情をして
こちらを見ていた。


「さぁ、話は終わり!
天使に飲み物を届けよう。」

「そうだね。」


拓翔くんを追いかけるように
階段を降りた。




愛菜も僕にたくさんプレゼントしてくれる。

そんな君に僕から今日と明日はプレゼントしたい。


やっぱり、記念日最高だ。